1950年代に岡本彰祐・歌子ら日本人研究者により創出されたトラネキサム酸(http://okamoto.th-project.org/research-2/)。2010年代にはイアン・ロバーツらの大規模臨床研究(CRASH-2:外傷性出血、WOMAN-trial:産後出血、CRASH-3:外傷性脳損傷)によりその効果が証明されたが、開発途上国では産後出血による妊産婦死亡はいまも続いています。トラネキサム酸が病院の薬局にない、家族に高額な医療費が請求される、政府に働きかけて入手できるようにしても医師が処方しない、そのため製薬会社がその国での販売をやめる、という事態の中で妊婦が亡くなっています。基礎研究者による創薬、臨床治験での検証、現場での使用という新薬の開発利用のリレーにおいて、どの国、地域でも、最終走者がバトンを持って走りださなければならない、そのためのドキュメンタリー映画“Her Life Matters”がロバーツらの尽力により、日本語字幕とともに完成しました。
英語版: https://www.herlifematters-documentary.com/
日本語字幕版: https://vimeo.com/615817182